トゥルーヴィル散策記

トゥルーヴィル散策記

隣町・ドーヴィル

トゥルーヴィル駅画像 2006年の11月24日、モンサンミッシェルからバスを乗り継ぎ(鉄道のストライキのため)トゥルーヴィルを目指しました。乗り継ぎのたびに駅員やバスの運転手、同じバスに乗り込むであろう人に「トゥルーヴィルに行きたいのですが…」と尋ねると決まって「ああ、ドーヴィルね」と返ってくるので、発音のせいなのか、それとも行き先が違うのか…。トゥルーヴィルに着くまで不安でした。駅に着いて安心したのと同時に納得。トゥルーヴィルドーヴィルは同じ駅で、駅を境に町が分かれていたのです(写真参考)!!
 日本に帰って来てから調べてみると、ドーヴィルは1966年に公開されたクロード・ルルーシュ監督の『男と女』という映画の舞台になっていて、世界的に有名な町だとか(現在は夏に映画祭が催されています)。また、この映画は『恋愛映画の最高峰』とも言われていて内容はもちろん、その舞台となったドーヴィルの美しい町並みに憧れる人も多いそうです。
 駅に着いてさっそくツーリスト・インフォメーション(以下、インフォ)に向かって歩き出したのですが、その町並みはうっとりするほど綺麗でした。ノルマンディー調の木造建築が並び、パリとはまた違った雰囲気の“高級”商店街はリゾート・タウンならではの美しさだと思います。

ツーリスト・インフォメーション

 トゥルーヴィルで宿を探したかったのにドーヴィルのインフォに行くという失態をのっけからやらかしてしまいましたが、なんとか到着したトゥルーヴィルのインフォに入ってさっそく受付で宿の情報を尋ねました。話をしながら、清潔感のあるインフォだなと思いつつあたりをきょろきょろしていると目に飛び込んできたのは壁に並んだいくつもの“サヴィニャック”!! 会話の最中にもかかわらず不意に笑顔がこぼれてしまい、受付の方にも笑われてしまいました。
 ここであのカモメのロゴの“トゥルーヴィルグッズ”が購入可能です。カードやタオル、ステッカーに色鉛筆など、種類も豊富で本当に目移りしてしまいます。また、隣接してサヴィニャックのポスターなどが展示されているのですが、週に3日ほどしか開放していないらしく日程が合わなかったため観ることができませんでした…。でもいいんです! また行く理由ができたので。

町角にとけこんだサヴィニャック作品たち

トゥルーヴィル、心臓リハビリセンターサヴィニャック壁画画像トゥルーヴィル、図書館サヴィニャック壁画画像

 トゥルーヴィルのインフォでもらえる地図には「どこに何の絵があるか」やその作品の年代等が書いてあります。ホテルでチェックインを済ましてさっそくその地図を頼りに町を歩くことにしました。ここで注意ですが、トゥルーヴィルのインフォでは旅行者を特定のホテルに紹介しないので(公平にするため)、地図に書いてあるホテルの場所や電話番号に自分で問い合わせをしないといけません。
 絵(壁画)は一カ所に集中しているわけではなく、ひとつずつ観て歩いていくと町の全体像が徐々に見えて来るので散歩するのにちょうど良いです。基本的にはどれも大きいので、少し離れたところからでも見つけた時はまるで宝物でも見つけたかのような喜びを何度も味わえました。中でもお気に入りは心臓リハビリセンターの入り口にあるハートの顔をした絵(写真参考)です。これはなんとか手の届く高さにあるので一緒に写真も撮れちゃいます!!

サヴィニャック・プロムナードとビーチ

トゥルーヴィル、ビーチ画像 そんなこんなで町中を興奮気味に歩いているとビーチに出て来ました。ちょうど日が暮れ始める少し前で、海辺を散歩する人や、犬を連れた家族やカップルがいたりとなんだかとても穏やかな気持ちになれる景色がそこにはありました。しかし、そんな和やかムードは一瞬にして忘れてしまいました。なぜなら待望の「サヴィニャック・プロムナード」に来てしまったのですから!
 簡単に言うと、砂浜につくられた遊歩道なのですが、そこに等間隔で並んだ街灯のひとつひとつになんと“サヴィニャック”の絵が飾られているのです!!正直、ここがこの日一番の興奮ポイントでした。ひとつ絵をみては「おぉ〜」と感動して、すぐさま小走りで次の絵を見に行く。そしてまた「おぉ〜」みたいな感じで、実際どれくらい興奮したのかというと、あまりのテンションの高さに写真を一枚も撮っていませんでした。そのことに気づくのはトゥルーヴィルを離れてからなのですが…。
 そしてそんな興奮を冷ますべく、海を眺めて夕日が沈むのを待っていました(写真参考)。とにかく絶景、『美しい』の一言です。こうしてすっかりトゥルーヴィルの虜になってしまいました。

 本当に簡潔に書いた文章なのでトゥルーヴィルの魅力を伝えることができたのか心配ですが、当初は「サヴィニャックの絵が観られればいい」くらいに考えていたのに、町の佇まいやビーチの美しさ、食事の美味しさ(ムールやオイスター、ノルマンディー地方の魚のスープなど絶品でした)などどれをとっても感動しました。パリからも日帰りが可能なので(ツアーもあるそうです)フランスに行かれる際は観光プランのひとつに加えてみることをお勧めします。

参考文献

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